兵庫県議会議員みなみ但⾺選出 藤⽥ 孝夫(ふじた たかお) オフィシャルサイト

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藤田孝夫

図書館と病院 武雄市

 

佐賀県 武雄市では樋渡市長の決断で赤字続きの市民病院を民間に移譲した。医師確保が困難で赤字が続く公立市立病院が多いが、市単独や県に頼れないとなれば民間の大手医療法人に頼もうとなる。

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武雄市の場合は、市民の医療サービスを確保する事を何よりも優先しその結果市営である経営組織を捨てた。多くの反発があったが市長判断で決行、結果リコール請求や対立候補擁立となり最後は市長出直し選挙(住民投票)で決した。

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こうして民間移譲した病院は場所を市の中心部で交通の便のよいところに移り、古い建物は介護福祉施設として再開している。結核隔離病棟としてスタートした病院の立地は人里離れた場所だったのです。(移譲にあたっての不動産価格は一般路線価) 

 

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新しい病院は、佐賀県の医療計画に則るため病床数や診療科数は同じです。しかし診療報酬額は2倍に、地元雇用300名になってます。これは新たな医療需要を掘り起こしたのか?それとも近隣病院の顧客(患者)を奪ったのか? いずれにせよ市民評価は市営の時より圧倒的に得ていることに違いはありません。

地域に必要な医療とは必ずしも医師数ではありません。新病院に残った 旧病院医師はたった二人。看護師や従事者身分も公務員ではなくなります。所属変更直後の給与は同額を保障、その後は民間の労働報酬制度下に。P1050248

 

視察調査で説明する樋渡市長、 即断即決のアドレナリン多分泌タイプ。背の高さ話のテンポはかつての横浜・中田市長に似てなくもない。さて新病院の課題を議員的批判目線で敢えて言わせてもらうなら、民間の経営状況判断が病院経営にも及ぶような事態や、市長方針と違った経営判断をした時、武雄市としてどう市民医療を確保するのか?  

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さて話題の“つたや図書館”です。まず以前よりこの町には図書館がありました。 ただ住民サービスとしては来場者・貸出図書数・会館時間など市民サービスとして評価されるようなものではなかった。しかしそのことに気づいたのが樋渡市長で今まで改革が進んでいなかったことを反省すべきだろう。 図書館は作ればよいってものではない、当然蔵書の数でランキングされるべきものでもない。P1050254

 

 店内レイアウトは左にCD・DVD等のメディアレンタルと販売、正面は新刊、奥に向かって雑誌の平台と専門書、ここまでが従来の“つたや”部分。そして右窓面がスターバクスコーヒー、雑誌は座って読み放題!もちろんスタバのコーヒーを飲みながらも可能。奥が図書館で二階はワイヤレスでWiFiが使える長いカウンター。その大奥がこの建物で一番静かな部屋、専門書も多い。P1050255

 

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雑誌は読み放題ですが、破れや汚れなどのロスはそう多くないとのこと。まあほとんどの雑誌や出版物は委託販売で不要なら返品できますけどね。 P1050262

 

 画像にはありませんが、本の貸出返却、購入時の支払い方法についてです。方法は二つ、顧客の80%が使用するのがTUTAYAカードによる自動読み取り装置、コスト削減にも役立つのでカードポイント として3ポイントたまります。もう一るは対面での店員によるサービスです。P1050264

 

 窓側カフェコーナー、この左が雑誌ストリートと呼ばれる平台積。専門書や新刊に比べ評価が低く見られがちな雑誌ですが、実は生活文化度と雑誌とはリンクしているとは雑誌関連業界の話。事実雑誌の取り上げる情報は現代の時代変化に敏感に反応しているかもしれない。 P1050266

 

アメリカのバーンズ&ノブルという本屋は、今から30年前から子供が寝転がる、大人が立ち読みならぬ座り読みができる本屋として有名ですが、蔦屋はそれを超えて図書貸し出しサービスとカフェを加えた。公的建物ゆえの空間も民間投資コストを無視した贅沢なものでもある。巨大小売り業にとってはすでに公的サービスに類するくらい市民影響力を持つものが現われてきた。

企業の顧客と行政の言う住民、これは同一です。今まで営利活動を監視規制する行政の立場からこれからは協働する方向へ行政も意識せざる得ないだろう。 災害協定など既に特殊事情時の協力は無料開放等項目として明確になっているが、平時においての協働では更に大きな効果が生まれる。 (コンビニエンス地域局構想など・・) 

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 市民コンシェルジェの助けを借りて接客するあたりは市営であることの良い意味での丁寧さ、コスト型巨大店舗ではできない。しかし司書分類は図書館用と蔦屋販売用の2制度が混在することになる。利用者目線からは買い回り性が重要だが、書籍管理ではスタンダードも使わざる得ないとか。 P1050270

 

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金田さん、店舗(図書館)の最高責任者。年を重ねるほどに理論的、的確な発言。普通に商談できそうな人でした。 

 

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基本的設計において市立図書館時代よりそのままの建屋、空間として広い。この円形吹き抜けは秋田教養大学の24時間図書館と非常によく似ています。  代官山の蔦谷は絶対的本店機能を持った蔦谷の象徴的店舗、近隣店舗と比べ取扱書籍が70%位違うと聞く。その意味ではここ武雄市蔦谷も象徴的店舗でしょう。企業が書籍サービスの公的役割を公以上のレベルで担う意味で!P1050280

 

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図書館とは何か? それは本を媒体とした空間サービス。(企業では販売、市では貸出し)

心地よい市民のための空間 、民営の図書館は採算が合わないが、物販とのセットなら経営的持続が可能でしかも読むことに加えて借りる買うという選択肢を広げたことになる。経費的には市が保有する固定資産税が掛からない物件ゆえの家賃がポイントだろう。従来つたや店舗より家賃は安いはずです。P1050283

 

 

CD・DVDコーナー 近年は不振とか! ネット配信が始まり回線スピードも速くなりました。私も最近音楽はネットで買って、CDラックならぬPCサーバーに貯めます。 つまり音楽や映像は見えるモノでは無くなったのです。以前はポリカーボネイとの銀盤だったり、カセットテープだったりしました。今は敢えて言うなら格納されている容器としてのUSBメモリーやSDカードあるいはハードディスクが音楽をイメージするモノかもしれません。 ここに足を運ぶ必要性は単に一応の品ぞろえと比較購買が目で出来ることくらいでしょう。P1050284

 

樋渡市長のことですから市民読書量や児童生徒の学力アップなど狙ってくるでしょうね。本にまつわるイベント等も、一点突破ですね。

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司会進行と録音

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武雄市民病院の屋上ヘリポートで、視察後の再確認。  民間病院の総務課長とP1050309

 

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樋渡マジックとでも言える民間活力導入の成功事例を調査してきました。市政を単純に市民生活サービスと捉えると低コスト、高サービスは民間のコスト意識(正確には公と民の労働報酬制度の優劣)の市政への導入で都市間競争に部分であるが勝ったことを意味する。

 

図書館と病院の利用者は人口5万人の武雄市だけではなく近隣市町民でもある。総務省出身の樋渡市長はすでに基礎自治体としての適正規模(商圏)を把握しているのだろう。しかし全部門を圧倒することはできない。事実地域拠点病院は嬉野市にあるし、二次救急や慢性期・終末期医療は武雄市、嬉野市は三次救急など高度医療を担っている。 従来合併によらない地域連携や機能分担によるトータル地域力アップは私の持論です。

 

さて分権議論が関西とともに進んでいる九州は佐賀県ではこうした武雄市の取り組みをどう見ているのだろうか? 結論は歓迎しています。国都府県の関係以上に重要なのは、地方分権で市民生活がどう変わったか? もちろん行政職も市民であり、権限の国との争奪戦での自己満足以上に、行政職であっても実生活でのサービス向上こそが一市民として関心があるはず。 直轄地を持たない県、県民とは市民のことでもある。 

 

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