兵庫県議会議員養父市選出 藤田孝夫 ふじたたかおオフィシャルサイト

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活動報告

2018/4/4
オーストリア林業レポートⅠ

 

  オーストリア林業・木材産業視察研修レポート   兵庫県議会議員 藤田孝夫  
  1. 兵庫県の林業の現状と課題
  2. 調査目的
  3. 調査スケジュール
  4. 調査参加者
  5. 調査先基本データ
  6. 調査先レポート
  7. 提言・今後の施策展開について

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  1. 兵庫県の林業の現状と課題
(現状) 兵庫県の民有林面積は530,539haでその内人工林は222,298ha約41.7%を占める。 また蓄積量は114,658㎥で人口林80,878㎥(70.5%)、天然林33,781㎥(29.5%)です。県内人工林のうち46年生以上の森林が約70%を占めており森林資源の自然増、即ち成長量が伐採量を大きく上回っている状態が続いている。(表は兵庫県林業統計2107より) 人工林の樹種はスギが50%、ヒノキ44%、マツ5%、その他0.2%ですから基本的に杉・檜の素材特性を活かす製品加工を行うことを基本に、樹種の生育特性を考える必要がある。 兵庫県の素材生産量は昭和45年で58万㎥あったが、建築材としては安定廉価な輸入外国材にシェアを奪われ、燃料としても石油・ガスなどの急速な普及により木質燃料も年々使われなくなった。平成21年を下限に少しずつ増加に転じているが、その要因は住宅建材需要の微増と合板への利用拡大等によるものと考えられる。 価格的は需給のバランスと輸入材価格、通貨レートで変動するが、素材価格では昭和55年ヒノキ1㎥当たり76,400円を最高に平成25年では19700円。スギは昭和55年39,600円をピークに近年は12,000円前後を推移している。 (データは森林林業白書林野庁編)    

森林は水源涵養、県土保全、温暖化防止、木材・キノコなどの林産物の供給等の多面的機能を有しており、県民生活や経済に大きく貢献している。こうした機能を持続的に発揮させていくためには保育、間伐、植栽などの森林整備が必要で、森林・林業事業実施のためには林道・作業道整備なども必要です。こうした再生循環の仕組みは林産生産活動を通じて経済経営的バランスと保ちながら行われることが望ましのです。しかし長期的にわたる継続的な取り組みであり、また前述のとおり公的意義も大きいことから、公的な枠組みと支援が必要です。

兵庫県では県民みどり税を導入し手つかずで集落に迫る樹木の伐採や、野生動物が人家に出没しにくいバッファゾーンの整備、台風被害への流木・渓流対策、また住民参加型の都市緑化事業などを行っている。また輸入材に対抗しうる価格と品質の県産材を供給するため兵庫県木材センターによる市場を通さない搬出加工の取り組み。低利固定での県産住宅融資制度などの独自制度の効果が少しずつ現れてきた。

平成25年には赤穂市でバイオマス発電が稼働、平成28年には朝来市で、平成29年には丹波市で木質バイオマス発電が稼働しており3つの発電所で契約されている兵庫県産木材チップは年間13万トンになる。素材生産量の推移表でも解るとおり26年度より燃料用として6.4万㎥が、27年では燃料用9.2万㎥が使用されたこともあり素材生産量は36万1千㎥となった。           平成29年には次代の林業を担う人材の養成を行うとともに、森林に関わる人材等を幅広く育成するため、森林林業に関する専門知識等を学ぶ2年制の専修学校として、兵庫県森林大学校を宍粟市に開校しました。

平成29年6月には自民党林業振興議員連盟の起案から議会提案で「兵庫県 県産木材利用促進に関する条例」が制定されました。この条例は県産木材の利用促進及びそのことを通じた森づくりの施策を総合的かつ計画的に推進し、林業及び木材産業の自立的な発展を図り、併せて森林の多面的機能の持続的な発揮及び地域創生に寄与することを目指します。県・市町・県民・事業者の責務や役割を明記し「県産木材の利用促進等に関する指針」の策定や実績の公表などを定めています。    

(課題) しかし人口減少による住宅着工数の減少、建築工法の多様化による木材以外の躯体による建築が普及するなど建築需要が増加する見込みは残念ながら現状では厳しいと言わざるを得ません。一方でバイオマス発電用のチップ需要は更に伸びていくことが予想されます。(現在でも県外・海外からの木質燃料も使われている)

バイオマス燃料用のBE材(曲がり材、間伐小径材、根、枝葉や木の皮)だけを安定供給することは現実的ではなく、70%を占める46年生の樹木を優先搬出し、価格の高いA材(建材用)として利用しながら、幹の先端や下部、枝などもBE材として燃料利用する「一本の樹丸ごと活用」が必要になります。 即ち現在需要が高い燃料用と需要が低い建築用の材、どちらもバランスよく活用できる素材利用と需要喚起が同時に求められています。また優良な森林団地では皆伐後の植林も同時に行う方がローコストですが、有効な有害鳥獣対策が必修です。      
2.調査目的 上述の課題認識や、我が国森林施策がようやく動き出した今、兵庫県として森林整備・伐採植林・流通加工・利活用など川上から川下までの施策を一体的に推進していく必要がある。また事業推進や事業管理に関わる人材育成や。場合によってはその仕組み創りが重要となる。今までは日本の林業が発展しない理由ばかり冷静に分析されてきた感があるが、いよいよ31年から交付開始が決まった「森林譲与税」により新たに市町主体の森林整備事業も動き出す。また未登記、所有者不明等で未整備森林への対応策が盛り込まれる予定の「森林経営管理法案」により森林経営計画を描きやすくなることが予想される。国の方向性として森林資源の利活用加速に大きく舵を切ったと言える。そのような動向の中、先進地と言われる事例を見聞する必要があると判断した。 調査先候補の選定にあたっては、以下の項目を満たしていることを条件とした。  
    1. 日本と似た急峻で険しい山々で林業が営まれている
    2. 樹木成長率が日本より低い寒冷な地域
    3. 森林資源の利用が建築材・燃料等多用途
    4. 適正な資源管理と効率的搬出
    5. 人材育成と森林管理の仕組み
    6. 林業関連産業の社会的地位が比較的高い国

ニュージーランドやドイツ、オーストラリア、カナダ、前回のスウェーデンも候補であったが今回は日本と地形が似ていると言われるオーストリアを調査することとした。事前のオーストリア森林林業情報収集では興味深い事例は他にも様々あるが時間の関係上、今回の調査項目は以下となった。  
  • バイオマス発電事業所
  • 林業機器の開発製造企業
  • 最新機器による伐採搬出現場
  • 森林専門学校
  • 木材利用建築

    ※オーストリア林業の基本データと特徴、訪問先別のレポートは後日アップします。  

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