兵庫県議会議員みなみ但⾺選出 藤⽥ 孝夫(ふじた たかお) オフィシャルサイト

活動情報

藤田孝夫

万博・DCを見据えた観光戦略

2 観光の新たな戦略と地域づくりについて
(1)ユニバーサルツーリズムについて
現在兵庫県では条例制定も視野に入れたユニバーサルツーリズムを推進するとされており、検討会の設置や人材育成など計画的に進められていると聞きます。その仮説は高齢者・障害者の県内人口比率は35%を超え今も増加していること、健康寿命が72.1歳だが、団塊の世代が後期高齢者に突入することから、このボリュームゾーンを獲得するには移動、宿泊滞在、アクティビティーに福祉介護の装備や接客知識が必要であるとの考え方です。目標は
  • 1 誰もが旅行の楽しみを享受できる福祉の観光県を実現する
  • 2 新たな市場を取り込み、観光産業の成長を図る
とされ資料には、
世界の65歳以上及び障害者の人口は約17億人、家族も含めると国内外で需要が潜在化している可能性(世界的視点?) 2025年の大阪・関西万博等、ユニバーサルツーリズム市場に呼び込む絶好の機会が到来とも記載されていますが、数値目標設定は現時点ではありません。
2019年内閣府観光戦略実行推進有識者会議メンバーで神戸市出身の村山慶輔氏によればアドベンチャーツーリズムの世界規模は72兆円、年率21%成長している。アドベンチャートラベルとは、自然×アクティビティー×異文化体験です。3泊4日シーカヤック バイク スキー・スノーボード キャンプなども含み、多くのテーマ別体験ツアーなどがあります。これらはアクティブでハードな運動を想像しますが、足の不自由な方でもカヌーは漕げますし、電動アシストバイク、極太タイヤの砂浜用車椅子も市場にはあります。
食の観点も外せません。世界人口70億人中、イスラム教徒20億人、ベジタリアン7億人。環境問題への関心から動物愛護、ハラール、脱アルコール、化粧品・洗剤に至るまで動物性原料排除、グルテンフリーなども重要な旅先選択条件です。何処まで出来ているかビーガン対応アプリで確認できます。ベジタリアンでなくても対応店舗のそうした取り組み姿勢には多くが高評価を与えてくれることは想像に難くありません。食物アレルギーへの対応需要も大きいからです。この計画で着目しているのは高齢者、障害者等のようですが、ユニバーサルの範囲・つまり対象設定はどこまでなのか、アドベンチャーツーリズム的対応も視野に入れるべきと思いますが所見を伺います。  
(2)DC、大阪・関西万博を見据えた観光戦略について
世界的に行きたい国ランキングで日本は第3位、実は衛生面では日本はトップです。 観光立国推進基本法の計画では目標値、2030年に年間訪日外国人数6000万人を設定しています。
兵庫県も来年度、景観形成地区内で「インスタ映え」するような優れた景観を持つ城下町や宿場町などを「重点区域」に指定する制度を設ける。また、地場産業やレトロな商店街、但馬牛の里など、地域に根付いた風景群を「景観遺産」として登録する制度も始める。2025年大阪・関西万博を見据え、人の流れを兵庫に呼び込む「フィールドパビリオン」として発信する。とされています。こうした取り組みがニッチでディープなファン獲得に繋がればと期待しています。確かに解り易い情報発信で世界に拡散する方法としては映像・画像は大変有効です。しかしWEB上に溢れた画像撮影だけを目的にいつまでも多くの方が来るのでしょう?アクセスを考えることも必要ですがそれは一つの手段です。地域観光資源のブラッシュアップこそが必要ではないでしょうか。
またサスティナブルへの取り組みも必要です。
グリーン・デスティネーションズ認定の世界の持続可能な都市100選には日本から12市、兵庫県では豊岡市、石川県・七尾市、齊藤知事が活躍された新潟県・佐渡市などが選ばれています。欧米やアジアでも富裕層で特にSDGs志向が強く、内容は、高級ホテルと豪華ディナー付きのIRなど都市型アーバンツーリズムとは逆で、大手チェーンに属さないホテルを使う、リムジンの送迎ではなく公共交通を使う、業務用ではなく地元食材を使う、ペットボトルを缶や瓶に変える、プラスティックを紙や木製に変える。また省エネやフードロスへの取り組みを公表している宿やレストランが評価される傾向があります。Wifi完備の空き家活用なども含まれます。
年一回の豊かな生涯時間を過ごしに来てくれる常連客を世界から広く薄く確保することとも思えます。五国に点在するフィールドパビリオンの展開にはこうした観点とグリーン・ガーデンツーリズム等とも共通性があります。
また観光事業の目標設定については、広島県呉市の観光計画では、目標として旅人に年間800億円消費してもらうことが掲げられています。根拠はGDPの約7%で、人口減少での影響をほほカバーする数値ということで毎年17億円の増加を見込んでいます。
兵庫県の観光では、産業連関表などの分析により、総需要・総生産に加え中間投入なども含め、地域経済循環率(地元に還元される金額)を重視することが観光客数より大切なのは言うまでもありません。人口減少と観光で得られる数値の均衡が経済目標ではないでしょうか。DC、大阪・関西万博に向けた兵庫の観光戦略の方向性と数値的目標設定について伺います。
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