兵庫県議会議員養父市選出 藤田孝夫 ふじたたかおオフィシャルサイト

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議会質問

282回定例兵庫県議会3月2日

【一般質問全文】

養父市選出の藤田孝夫でございます、「田舎が時代を変える、円やドルで計れない地方の魅力が今・・・」を活動タイトルに掲げ、この実現をライフワークとして活動してまいります、どうかよろしくお願いします。

1853年、江戸湾に姿を現した、たった4隻の黒船が、我が国に産業革命の衝撃をもたらした。櫓と帆で動く日本船は、蒸気の力を利用した鉄製の船から取り残され、ペリー提督日本遠征記には、「彼らは風に抗して進む快速の汽船を見て疑いもなく狼狽していた」と誇らしげに書き記されています。それ以来、我が国は、国家主導の日本型産業革命を進め、欧州列強がそうしたように、国際分業による自活できる経済圏の拡大獲得をアジア諸国に求めた時期があり、さらに第二次世界大戦での敗戦を経て、戦後の復興、高度経済成長を経験し、経済のグローバル化の一翼を担う、世界有数の経済大国と言われるまでになりました。

  しかし、いまや資本主義は、世界市場の覇権を争う巨大マネーゲームとして、その基軸通貨、ドルは、人間の手を離れ勝手に暴走しているかのように見えるのは私だけでしょうか?1997年、タイバーツがヘッジファンドから売りを浴びせられバーツは急落しました。 タイ国中央銀行と政府は手持ちのわずかな米ドルを売って、バーツを買いましたが、あえなくヘッジファンドの大量のバーツ売りに負けバーツは下落、金融危機が起こって、タイ経済は一週間で奈落に沈みました。この壮絶な通貨戦争により、勤勉なタイ国民が長年にわたり蓄積してきた財産や日々の営み・生活は打ち砕だかれてしまいました。世界を被う金融システムとその上に乗って自己増殖しながら暴走する「マネー」は、富を一国に集める道具としての一面を持つことも否定できないものです。

  このショッキングな事実は、国家とは国民とは何なのか?経済・資本と政治はどう対峙すべきかを問いかけています。世界的分業の資本主義システムに組み込まれ、自分が一体何をしているのかさえ解らなくなった今の混迷を表しているのが、いろいろな社会問題であると言えます。すべてのモノの価値を具体的な共通指数としての金額のみで表すことの矛盾が露呈した現実に対し、現在考え得る真に豊かな社会とはいったいどのようなものなのでしょうか?

  これからの県政の在り方・方向性について、特に、20世紀型発展、つまり過度な効率性に根ざした経済発展に太平洋側ほどには追随することが出来なかった但馬であるからこそ、兵庫の山間部・北部一帯の可能性を追求しながら、今後目指すべき方向性をテーマに6項目について質問を進めてまいります。

■質問の第1は、県下の最高峰氷ノ山周辺の自然環境保全・再生について

  但馬地域面積の83%を占める山林についても、昨年の台風災害のあまりの甚大さもあり、環境問題を言及するよりも、まずは人為的な治山が重要であるとの見解が多くなるのは、当然な成り行きであります。しかし同時に、貴重な自然について、複眼的な観点、長期的視点に立ち、本当の自然との共生とは何かを追求するタイミングとしては決して早すぎません。ましてや氷ノ山・高丸・ハチ伏エリアは今まで比較的人間の入り込みにくい地形にあり、県下にありながら、その存在は単なる最高峰・スキーのメッカ・自然の宝庫などを象徴するだけの霊峰としての捉え方が支配的でした。その貴重性の一端を紹介しますと、高樹齢のブナ林数百ヘクタールがいまだ残っており、ススキの大草原とそこに生息する蝶「ウスイロヒョウモンモドキ」や植物では「ササユリ」「オミナエシ」「ウメバチソウ」、湧き水周辺には今なお「ミツガシワ群落」や「ヤマドリゼンマイ群落」。渓流沿いには「ザゼンソウ」「ミズバショウ」といった非常に貴重性の高い動植物群落が存在します。また既にハチ伏エリアでは、こうした優れた自然環境を自然学校などのフィールドとして積極的に利活用する動きがあり、冬のスキーと並ぶ地域の生活基盤となっています。

 自然や生き物の多様性を保全・再生することは、自然その物ばかりでなく、ここをフィールドとした自然体験の幅をも更に多様で豊かなものとし、ひいては地域の生業や生活の活性化、独自性の追及にも寄与するものとなります。しかし昭和10年~40年代にかけて大面積にわたる原生林の伐採と針葉樹の植林が断続的に行われたこと、また鹿や熊など野生動物による被害、風水害の影響などもあり、近年では、頂上付近は岩肌露出が進み、湿原では人為的な乾燥化が見られます。また渓谷沿いでは、上流域の伐採跡地からの土砂の流入、登山道周辺では盗掘や人の踏み入れなどにより貴重動植物の生態エリアの減少が進行しています。環境省が進める北海道釧路湿原での自然再生プロジェクトにおいて、「自然再生釧路方式」と命名し、従来の公共事業のイメージを一新すべき取り組みが実験されています。それは、再生目標の設定では生態系を踏まえつつ、地域合意を得ることから始まり、小規模な実験的事業での継続的なモニタリングを経て、地元NPOなどの幅広い市民の積極参加を促進するものです。また、その都度検討経過をインターネットなどにより情報公開し、さらに、環境教育でのネットワークづくりや、自然との調和を探るエコツーリズムや環境保全型産業の育成による地域の魅力向上につなげていくという方法であります。

  兵庫県においても、貴重な自然生態系の保全に取り組まれ、学識者、地域住民など広範な意見抽出に取り組んでいただいていますが、今後予定されている事業の基本的な進め方については、従来の舗装道路やコンクリートダムなどモノをつくる公共事業とは異なり、自然が自らの力で回復していくことを人が手助けしようとするものでなければなりません。従って、重機に頼らない人力による運搬・施工方法の検討が必要かと思われます。設計・監理・施工管理に当たっても、自然系のNPOや集落や、地域の協会がたずさわることなども考えられます。

  自生植物から種の採取に始まり、育苗・成長させ植草・植樹を実験することになりますが、氷ノ山山系で採取確保された間伐材など資材の徹底活用、県民総参加のしくみ作りのため通年型森林ツーリズムの推進、参加型情報公開なども考えられます。

  このように氷ノ山周辺の自然環境保全・再生に、沢山の県民が長期間に渡り、知恵を出しあい、汗を流し積極に参画することになれば、交流人口を増加させ且つ継続的なものになるばかりでなく、参加者が自然の叡智を感じ、一度破壊されたものを復元することの困難さを体験し、21世紀を生きる私たち兵庫県民が未来に何を残し、今何を改善すべきかを知る、生きた参画と協働となると考えます。

  ついては、県民にとって共有の貴重な財産である、氷ノ山周辺の自然環境をどのように保全・再生していくのか、またどのように利活用を図っていくのか、当局のご所見をお伺いします。

■質問の第2は、但馬長寿の郷の今後の展開について

  昨年12月、ビバホールにおいて、養父市地域教育フォーラムが開催されました。市内の各中学校よりそれぞれの代表と養父市の担当者とがパネラーとなり、生徒なりに感じている夢・疑問などを話し合う会でした。その時一人の女の子がこう言ったのです。「養父市は高齢化が進んでいて今後さらにお年寄りが増えると聞いています、今私の家には、おばあちゃんがいるのですが、今でも老人ホームにはなかなか入れてもらえず一週に2度だけデーサービスを受けています。うちのお母さん達がもっと歳をとった時、養父市には入れてもらえる施設があるのでしょうか?入れないとしたら新しく作ってもらえるのでしょうか?」

  市の担当者がどんな回答をしたかはここでは、差し控えますが、高齢者がすべて介護施設を利用することを当然のことのように感じている子供達の感覚に私は「ハッ!」としました。

  実際のところ大屋地区の横行というところで林業畑作を中心とした第一次産業従事者が多い地区があるのですが、まだまだ生活の中に山・畑などでの農作業がごく自然に溶け込んでいる良き時代を感じさせるところで、寝たきりの高齢者を見たことが無い地区です。

  但馬長寿の郷は、過疎、高齢化が進む但馬地域の現状と課題を踏まえて高齢者をはじめとする全ての人々が住み慣れた地域で安心でき、生きがいを持って暮らせる理想的な長寿社会とするため各種施策を展開され10年が経過しました。

  基本理念を具体化した事業の一つとして、平成6年度からは、市町では確保が困難な理学療法士などの専門的人材を但馬長寿の郷が確保し、各市町に派遣する事業は評価が高いところです。また今後は世代間交流を促進し地域、家庭での介護のあり方を示唆できることが求められています。
  今年の小泉内閣総理大臣の施政方針演説においても、介護保険制度の安定に向け、できるだけ介護が必要にならないよう、予防を重視するシステムへの転換を言われています。35年後には高齢者数がピークになり、少子化と相まって人口も平成18年から減少に向かうことが予想されています。高齢者大国は同時に、定年者、年金受給者大国となることは明らかであるが、生活習慣病大国や、要介護者大国になってはならないために対策が求められます。私は、健康づくりとして過疎地で農林業との生活密接度の高い但馬地域の人々のくらしぶりを更に科学的に分析することに、これからの介護予防のヒントがあるのではないかと思います。たとえば、農作業を取り入れた介護予防プログラムが実施されれば、高齢者の体力づくりとともに、元々高いレベルにある但馬高齢者の農業技術の伝承に寄与するばかりでなく、地域の活性化にも繋がると考えられます。
  子供達が高齢者は、体力知力が衰え、特別養護老人施設等に入らねばならないと想う感覚は余りにも悲し過ぎます。お年寄りもまた当然家族の一員であり最後まで同じ屋根の下で過ごすことが、真の家庭教育であり若者の言動をも正しい方向に導くものであると考えます。
  但馬長寿の郷は、過疎地だから但馬に設置したのではなく、自然環境と融合できる人々の暮らしぶりがある但馬だから、また豊かな地域コミュニティーが存在する但馬だからこそ、設置されたという観点より考えるべきものです。
  但馬長寿の郷について、今後求められる介護予防においても、蓄積された地域一体の福祉での10年の取り組みを検証しつつ、域内ばかりでなく、全県としての先導的拠点施設として、情報発信を含め、機能充実を図るべきと思うが、今後の展開について当局のご所見をお伺いします。

■質問の第3は、農山漁村と都市の交流について

  農業経営が置かれる状況をみると、広大な農地において、大型機械等により大量生産するアメリカ型農業が、遺伝子工学の発展と相まって、その生産量、コストにおいて世界を圧倒するものであるのに対し、狭い耕地面積、急傾斜な地形など、地理的要因から、日本の農業は圧倒的に不利な状況にあります。もともと、日本の農業は、米作を中心とした自給的な農業として発展してきており、また、多様な自然条件のもと、多種多様な品目を丹精込めて耕作し、その結果、高い土地生産性と高品質を達成しています。
  兵庫県においても、作目ごとに研究会等の組織を作り、収量の向上、品質の向上、生産労力の削減を図る、数々の取り組みがなされていますが、価格競争の面では太刀打ちできない状況も多くあります。
  私は、近年のグリーン・ツーリズムの推進に、わが国農業の新たな自立の可能性を強く期待します。元々ツーリズム、更に進んで農家民泊については、ヨーロッパの専業農家から発祥しています。フランスの農家では、単にワイン葡萄を効率的に栽培するだけではなく、複合的に、ビネガーやシードオイルに加工したり、ジャムを作ったり、また家畜からも、肉ばかりでなく、様々な加工品を作ったりしています。自家消費できないものについては、その保存方法を考え、また製品化して直販したり、流通させています。さらに、都市住民を農家に受け入れ地域の新鮮な食を提供したり、ありのままの田舎生活を体験してもらう農家民泊が、このような地域内での循環型生活スタイルに、経済生活に必要な通貨を獲得するための方法のひとつとして、発展してきました。このような例を見ていくと、日本の農業の経営的自立の可能性は、単に生産するだけでなく、加工や販売をはじめ、農作業体験や農山漁村での生活体験を含め、その魅力を高め、商品として売っていく取り組み、新たなビジネスモデルの育成に見いだされると考えます。
  既に、但馬地域でも、地元大豆を加工して味噌づくりに取り組み、販売してきましたが、さらに、近年、農家民宿が続々と誕生し、どぶろく造りにも挑戦するなど、新たな動きの芽も見えつつあります。
  そのような中で、農林漁業体験などのできるグリーン・ツーリズムが、農家の新たな収入の方法として確立されれば、都市住民が「農」と親しみ、ふれあう機会となり、豊かな地域農産物が再確認され、県産品の消費拡大に繋がるばかりか、新たな就農者に門戸を開くことに繋がるなど、今後の発展への期待が高まります。
  つまり、農業、林業、畜産、水産業を地域の生活と一体となった付加価値のある、魅力的な資源として捉えることから、経済的自立へのプログラムを展開することができ、その中の一施策が、グリーン・ツーリズムの推進であると考えます。
  今後、グリーン・ツーリズムを展開していくにあたっては、一過性のものとならないように、その定着を図り、通年型のグリーン・ツーリズムにしていくことや、またリピーターを確保していくために、個々人のニーズに対応してその中身を多様化させていくことが求められます。
  ついては、農家の経済的自立や農山漁村地域の活性化に繋がるグリーン・ツーリズムの推進について、どのように考え、今後、どのよう進められるのか、当局のご所見をお伺いします。

■質問の第4は、コウノトリと共生する地域づくりの推進について

平成17年度の当初予算、記者発表資料の表紙には、空翔るコウノトリが飾られていましたし、本会議冒頭、井戸知事の提案説明要旨の中でも「私は、県鳥コウノトリが、再び大空を舞う、人と自然の調和した兵庫づくりは、成熟社会の地域づくりのモデルになりうるという気概を持って21世紀の新しい兵庫、美しい兵庫の実現をめざしていかなければならないと決意を新たにしています」と県政理念の項で力強く述べられています。
今年は、酉年。この秋には、コウノトリの野生復帰の節目となる、自然放鳥が行われ、但馬の空を舞うことになります。思えば、コウノトリが但馬の空を悠々と舞っていたのは、昭和のはじめ。当時但馬の人々は「ツル」と呼んでいました、つまり鶴亀のツル、非常にめでたい縁起物(瑞鳥)でもあったようです。しかし時と場所により縁起物は害鳥でもあったのです。田植え時期のコウノトリは植えた苗を踏み荒らす害鳥とされ、それを追い払う行為を「つるボイ」と呼び、老人子供の仕事でした。しかし稲刈りの頃は農作への被害をもたらさないことからきれいな鳥として人々は好意をもって観賞していた記録が残っています。私は、この但馬人の感性こそが、豊岡盆地が日本で最後の生息地たり得た理由のような気がします。
野生復帰への取り組みは、社会の変化に伴い自然環境が損なわれ、野生のコウノトリが減少していく中、昭和30年のコウノトリ保護運動の提唱以来、昭和40年には、人工飼育を開始、平成元年に、ロシアから寄贈されたペアが初の繁殖に成功を経て、現在、112羽が飼育されるまでになっています。さらに、平成14年夏に飛来した野生コウノトリが、今日に至るまで、豊岡にとどまり、自然界で三十数年ぶりに巣づくりを始めたとの報道がされたところです。
このように、幾多の苦難を経験しながら、半世紀にも及ぶ長い歴史を刻む、息の長い取り組みは、実に希なものと思います。世界に例を見ない人里近くでのコウノトリの野生復帰は、「単に一つの種を保存するだけでなく、人と自然が共生する地域づくりである」と位置づけられるところであります。
さらに、今月下旬から開催される、2005年愛知万博へ出展し、コウノトリ野生復帰がめざす意義を全国、そして世界にアピールされようとしています。私も、まずは、コウノトリの放鳥の意義を十分に普及啓発していくことが大切であると思います。
地元が、野生復帰推進計画を策定し進めていますが、さらに、地域再生推進のためのプログラムに基づき、「但馬・コウノトリ翔る郷づくり計画」が認定されたところです。
さらに、今後、コウノトリが放鳥され、実際にコウノトリと人が身近に共生する段階では、野生化したコウノトリが飛行する範囲が拡大し、豊岡盆地だけにとどまらず但馬地域全体にまで広がって、住民と共生することになるので、飛来する地域全体の姿が、19世紀の自然環境と21世紀の人々の暮らしが融合し、調和した、井戸知事が言われる「成熟社会の地域づくりのモデルになりうる」ものでなければなりません。これを実現するためには、世界に先進的な取組として、様々な面で、環境と調和した新たな地域整備をしていくため、県の力強いリーダーシップが期待されるところです。
ついては、コウノトリの野生復帰を契機としつつコウノトリと共生する地域として、具体的に、ソフト・ハード両面にわたり、どのように地域整備を図っていくのか、当局のご所見をお伺いします。

 

■質問の第5は、環境にやさしい商品の普及について

おまけ付のお菓子で「世界自然動物」という商品があります。このお菓子のおまけは、レッドデータブックに載っている動物をリアルに再現しています。昨今のフィギュアブームの中、一世を風靡した商品ですが、実は、外箱の片隅には、「この商品の売上の一部は世界自然保護活動団体「WWF」に協力します」と書かれています。他の商品でも、スナックなどの袋の裏面に「WWF」のシンボルであるパンダのマークを見ることがあります。
このマーク使用にかかるライセンス契約料は、1商品につき売り上げの5%前後であり、もちろん商品もWWFの活動支援に関連する条件に合うモノでなければなりません。
パンダマークを付ける商品は、店頭にあふれる商品の中にあって、他の商品との差別化として自然保護に寄与していることを示すと同時に、その発売元企業のイメージについても、自然保護活動支援に理解があり、積極的であるという形で「社会貢献を行っている」ことを示すなど、企業のCSR、コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティ、社会的責任においてもプラスアルファを発生させています。

地球温暖化や廃棄物問題など、深刻化する環境問題の解決にあたっては、県民、企業、行政が総力を挙げ、環境への負荷の少ない循環型の社会経済システムとライフスタイルとを構築していかなければならないと言われています。
私は、このように、社会的に受け入られた仕組み、環境問題に貢献しようとする企業の活動、支援する消費者の購買活動、地域社会での共通理解をうまく引き出していくことに、環境に配慮した循環型社会を形成していくうえでの、大きなヒントがあるのではないかと思います。

いわば、パンダマークのような生産者と消費者に満足のいく形で負担を求め、環境問題解決に役立つような環境にやさしい商品が社会に広く受け入れられる必要があると考えます。
ゴミを減量化していく上には、製造者に対しては、できるだけゴミにならないように、少なくとも、リサイクル可能な商品の開発が求められます。また場合によっては、著しく分別が困難な資材の使用については、一定の制約を加えること、逆に、自然にやさしい素材の使用を促進する支援策も検討していく段階になるかもしれません。

一方、消費者となる県民に対しても、環境にやさしい商品を購入するよう、また製品価格へのリサイクル経費を内部化していくことで、消費者として応分の責任を果たしていくことを、進んで行うような意識に転換していくことが重要であります。言えば、環境にやさしい商品を購買することが、社会的にかっこいいこと、ステイタスになるようにしなければならないと思います。

県では、平成3年から、女性団体が中心となって、「環境にやさしい買物運動」を展開されてきていることは承知しています。パンダマークのようなシステムについては、確かに、行政が直接、ライセンス料を徴収する等、様々な解決すべきハードルが多いと思いますが、環境にやさしい買物運動のような運動を通じて、県民への意識啓発を行い、優れた商品の普及を図り、環境問題の解決に努めていく必要があると思いますが、今後、どのように取り組んでいくのか、当局の所見をお伺いします。

■質問の第6は、合併市町への支援体制等について

現行の合併特例法の適用期限である「平成17年3月31日までの県への廃置分合県申請」の時期が間近に迫り、現在、県内では、行財政基盤の充実強化、少子高齢社会にふさわしい高度化・多様化する住民ニーズへの適切な対応等を目的に、市町合併に向けた動きが大詰めを迎えようとしています。
しかしながら、合併協議会に与えられた権限の制約、地域住民への事前説明の不徹底等から、合併後も、住民の関心事は、市町名、市町庁舎の場所、市町人事配分であったりすることなどから、合併の意味するところの理解が十分に得られていないのではないかと思います。

したがって、「合併は、決してゴールではなく、新しいまちづくりのスタート」と考えるべきです。合併したからといって、各市町が抱える課題等が解決されるわけではなく、また、合併直後から全ての合併のメリットを享受できるとは限らないなど、これからこそが正念場という時期を迎えています。

折しも、県内の「平成の大合併」のトップを切って、今年度スタートした我が養父市についても、合併直後から、三位一体の改革等の影響による厳しい財政状況、大きな被害をもたらした台風災害からの復旧等、幾多の課題を抱えながら船出をきっております。先般就任した梅谷新市長においても、まずは市政を安定させ軌道に乗せるべく、平成17年度を行財政改革元年と位置づけ、今後、財政の健全化等に積極的に取り組んでいく方針を打ち出しつつ、山積する行政需要にどう応えていくか頭を悩ましておられるところであります。とりわけ財政の健全化には、バランスシートや行政コスト計算書の活用、事務事業評価制度の導入、柔軟な職員研修、合併市町と市民のパートナーシップの確立、またそのための的確な情報公開などの課題があり、それは、養父市をはじめ県内各地で誕生する新たな市町が早急に取り組まなければならない共通の重要課題であると思われます。それぞれの団体が懸命な自助努力を行っていこうとしていますが、自ずと限界があることも事実であり、行政区域の拡大や組織の再編等の大きな転機を経験した合併市町においては、むしろ合併前以上に県からの支援・助言等を必要としていることから、身近な県民局での相談体制や本庁でのバックアップ体制を弱体化させてはならないと考えます。

ついては、合併した市町の住民が不安を感じることなく、市町経営が円滑に行えるよう、今後、市町の支援体制と行財政支援をどのようにしていていかれるのか、ご所見をお伺いします。

終わりに一言申し添えます。
滔々たる円山川の流れに古今の思いを馳せる時、往きては輔国の責に任じ、来たりて北兵庫の中核たらんと欲し、平成の大合併兵庫県内一番目、新生養父市。先人の郷土を想う崇高な歴史観をかえりみ幾多の激論を越え、昨年4月1日誕生しました。兵庫県議会議員として活躍の頃より、いち早くこの課題に取り組み、率先推進され、初代市長就任7ヶ月、昨年12月17日急逝されました佐々木憲二氏に、こころより哀悼の意を捧げながら私の一般質問を終わらせていただきます。

ご清聴ありがとうございました。

 

1 県下の最高峰氷ノ山周辺の自然環境保全・再生について

答弁者:下野健康生活部長

1 氷ノ山周辺地域におきましては、ご指摘のように湿原やススキ草原等におきまして、乾燥化や潅木侵入などの貴重な自然環境の劣化がみられますために、今年度から地域の人々の全面的な協力と参画を得ながら、植生や生態等の識見の高い専門家の協力のもと、生活と共存・共栄できる自然環境保全・再生の取り組みについて、実施計画の策定に取り組んでいるところです。

2 基本的には、地域住民やNPO等様々な主体の参画と協働のもと、一つには、湿原への侵入潅木の伐採などの保全・再生活動、自然とふれあい学ぶ動植物の観察会、ガイド付き登山などのプログラム開発などを行うことによりまして、環境学習の場として活用し、都市との交流も図りながら、継続的な取り組みとなるように進めていくことが重要であるというふうに認識をいたしております。

3 そして、具体的な取り組みを進めることを通じまして、自然の大切さへの共通の理解を醸成し、地域の意識の高揚を図りながら、地域の活性化にも寄与する自然環境保全活動として、釧路湿原再生など、お話にありましたような先進事例も参考にしながら、県下のモデルとなるような取り組みを進めていきたいと考えております。

4 また、事業の実施や施設整備にあたりましては、郷土個体・種子の増殖や自然素材の使用とともに、自然の復元力の活用や生態系の微妙な均衡に充分配慮しながら、自然への負荷を最小限にとどめることといたしたいという風に考えております。

2 但馬長寿の郷の今後の展開について

答弁者:井戸知事

1 但馬長寿の郷では、これまで、へき地医療支援機構としてへき地医師の医局的な機能を果たすほか、個々の市町が単独で確保することが困難な理学療法士等の専門的人材を県がプールし、これを派遣して、リハビリをベースとした在宅ケアの事業を展開してきました。

2 また、あわせて、県民や専門職を対象とした介護等の研修の実施、都市と農村との健康・福祉関連の交流イベントの実施など多彩な事業の展開を行っています。

3 特に、リハビリをベースとした在宅ケアや予防活動は全国的に注目を集めており、これまでの但馬長寿の郷における介護予防活動の実践などの具体的なノウハウをまとめた教本を今年度中に作成することとしています。今後、介護予防活動を担う人材養成に、積極的に活用できるよう普及してまいります。

4 さらに、今後の展開としては、引き続き、へき地医師、理学療法士等専門的人材の派遣を行い、市町の健康づくり事業等の支援を行いますとともに、都市との交流事業を積極的に進めていくなど、全国的にも先駆的な但馬長寿の郷事業の展開を進めてまいりたいと考えています。

5 また、リハビリをベースとした在宅ケアや予防活動の人材確保が難しい西播磨においては、但馬長寿の郷の実践をベースに、平成18>年度開設する予定の総合リハビリテーションセンターブランチにおいても、理学療法士等の在宅への派遣について取り組む方向で検討しているところです。

6 今後とも、但馬長寿の郷の事業がその役割を果たしていけるよう努力してまいります。

3 農山漁村と都市の交流について

答弁者:井戸知事

1 日本の縮図、ミニチュアと言われ、他府県に類をみない多様な自然と特色ある風土・文化・歴史、農山漁村と大都市の近接など恵まれた環境を持つ兵庫県です。各地で都市農村交流の様々な取り組みが見られています。

2 県の農林水産ビジョンにおきましては、農山漁村と都市の共生社会の実現を一つ、柱に掲げて、交流基盤の整備や交流活動への支援を積極的に実施しています。また、楽農生活、農と親しむ生活を目指す生活スタイルにも、その展開を呼びかけています。本年度は、従来からのグリーン・ツーリズムバスに加えて、双方向の交流を進める「消費地探訪バス」や「わが町PRバス」の運行、都市と農山漁村の交流連携の結び付き事業を実施することとしています。また、昨年秋には、但馬2市14町を舞台に「全国グリーン・ツーリズム研究大会」が開催され、但馬の魅力ある伝統文化と楽農生活の取り組みが全国に発信されたところです。

3 これらの中で、例えば人口6千人の八千代町では、交流を地域活性化の核として捉え、交流人口31万人、雇用創出161人、12億円の経済効果を上げ、先月、都市農村交流の内閣総理大臣賞を受賞したという例もあります。

4 17年度には、交流バスを400台から800台と倍増するとともに、新たに子どもたちの自然体験の充実を図る「ひょうご学びの農」の推進や楽農学校「アグリビジネスコース」の開設に取り組むなど、都市農村交流の一層の推進に努めて参ります。

5 戦後人口の増加を引き受けてきたのは、平地と海との間、平地または臨海部だったといわれています。21世紀は人口、特に交流人口を引き受けるのは山と平地の間、つまり、いわゆる多自然居住地域、中山間地域だといわれています。都市的生活と農村的生活を二つながら味わう、享受できる豊かな生活スタイルが確立されていくのではないでしょうか。

4 コウノトリと共生する地域づくりの推進について

答弁者:井戸知事

1 コウノトリの野生復帰への取り組みは、失われた自然や環境を見つめ直し、人とコウノトリが共生する地域の創造を図る世界に例を見ない壮大でロマンあふれるプロジェクトだと考えます。
2 こうしたなか、地元市町や地域の方々の参画と協働のもと、転作田のビオトープ化をすすめ、アイガモ農法など環境創造型農業を推進し、多様な生物の棲息に配慮した河川の自然を再生し、荒廃した里山林の整備を行い、豊かな田園景観を創造する電線類の地中化などを行って、コウノトリが生息できる環境づくりを進めているところです。さらに、この地域づくりを担う人材を育成する環境教育の場づくりや全国の賛同を得て野生復帰を応援するコウノトリファンクラブ活動の拡充などを通じて多くの仲間づくりにも取り組んでいます。

3 この秋には、いよいよ自然放鳥が始まり、豊岡盆地だけでなく、将来的には全国各地に、コウノトリが飛来することも期待しながら、「コウノトリ未来・国際かいぎ」の開催や、「自然の叡智」をテーマとする愛知万博への出展などを通じて、21世紀の新しいふるさとづくりの指針ともなる「コウノトリと共生する地域づくり」を進めていくこととしております。

4 まさしく今年は酉年ですが、その酉年にふさわしいイベントとなることを期待しているところです。

5 環境にやさしい商品の普及について

答弁者:下野健康生活部長

1 ご指摘の世界自然保護基金のロゴマークでありますパンダマークにつきましては、企業とのライセンス契約によりまして、製品にマーク使用を認める代わりに、売上の一部を使用料として徴収し、自然保護活動や助成等に活用する仕組みであります。

2 エコラベルのように製品の環境配慮を保証するものではありませんが、県といたしまして、ライセンスを活用した基金を創設し、県民、企業、そして地域の共通理解のもとでの自然環境の保全と創造の事業を行うことが考えられますが、この場合、ライセンス料徴収の可否、事業主体のあり方等事業スキームの検討とともに、企業、消費者の理解など、導入にあたっての課題も多いことから、多面的に勉強させていただきたいと考えております。

3 そして、「環境にやさしい買物運動」につきましては、環境保全に貢献する商品を表示します「エコマーク」や、家電機器等の省エネ度を示す「省エネラベル」等の普及・啓発を図り、環境にやさしい商品の購入を促してきたところでありますが、基金制度について消費者の理解を得るための意識調査の実施等、連携のあり方についても併せて取り組んで参りたい。

6 合併市町への支援体制等について

答弁者:荒川企画管理部長

1 地方分権の時代を担う基礎自治体をつくろうとすることで進められております市町合併が、県内でも大詰めを迎えている中で、新しいまちづくりがスタートいたしました新しい団体に対しまして、きめ細かな助言・支援を行ってまいりますことは、市町村行政補完的な役割を担う県の責務と考えているところでございます。

 2 特に、合併市町の一体性が発揮されるまでの間は、逆に各市町ごとにきめの細かい配慮が必要となるとも考えられます。したがいまして、市町数が減少するといたしましても、本庁・県民局を通じまして、助言・支援を担う体制を維持しつつ、さらに県民局におきましては、当面その権限、予算面で強化を図って、現地解決機能を高めていくことといたしております。また、新年度におきましては、市町規模や地域の実情に応じました県と市町の役割分担やその支援のあり方について検討を進めることといたしております。

 3 一方で、行財政支援といたしましては、合併市町職員研修の充実ですとか、合併特例債を有効に活用したまちづくりに対する助言、地域のネットワークや一体性を確立するための合併支援県道の整備をはじめ、合併市町の商工会ですとか、社会福祉協議会などの地域団体への補助につきましては、経過的に旧市町単位で行うなど、そういったきめ細かな支援を行いまして、地域特性に応じた新しい市町経営が円滑に進められますように、積極的な支援に努めてまいりたいと思います。

記事公開日:2005/3/10

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