
関西広域連合の広域的事業として最も評価されているドクターヘリ。これが従来のようには飛べない状態となり、救急救命に支障を来す事態が想定され、大きな不安の声が上がっている。
■2025年、4月7日
長崎から福岡に向かっていた医療搬送用のヘリコプターが壱岐沖で転覆した状態で見つかり3人が死亡した事故が発生。原因は機体後部の制御装置が破損していたことが調査で解った。
これを受けてドクターヘリには操縦士とは別に整備士を同乗させることとされたが、その整備士が全国的に不足しており、ヘリの要請があっても整備士が居ないため運行できないケースが急増している。
■関西広域連合管内では現在、8機のドクターヘリが配置・運航されています。
上の図(関西広域連合HPより)で明らかなように運航実績では、救急車搬送が可能な都市部と違い、中山間部での運行数が圧倒的に多い。
ドクターヘリの運航費用については関西広域連合の構成7府県(本年度より鳥取県が脱退)が負担し、国庫補助を受けている
日本海側の三府県ヘリは、委託しているヒラタ学園より7月当初は運行ゼロとのことであったが、調整の結果二週間の運行停止となった。
■今後の調整
1.鳥取県からの応援調整
鳥取県は消防ヘリを県東部で運行するので、兵庫と京都北部も利用できるよう調整
2.ドクターヘリに同乗する整備士に関する事項の拡大
今般の事態等を受けて、新たな運航事業者の参入の促進、地域におけるドクターヘリの安定的な運航の確保又は他の地域におけるドクターヘリの運航
事業者の確保等のため、都道府県等が必要と認める場合には、臨時的に必要と認める間、航空法関連法規及び整備規程等との適合並びに安全な運航の確保に十分留意しつつ、救急医療の関係者等と連携・調整の上、整備士に代わって操縦士を同乗者
とすることは差し支えないこととする。(厚生労働省医政局地域医療計画課より)
整備士の代わりにパイロットをもう一人同乗させることで運行停止を回避できるというもの。
3.ドクターカーの調整拡大
ドクターヘリは夜間飛行できていない。患者を乗せた救急車と搬送病院から医者を乗せた車、両方からドッキングして治療を開始する。実質搬送時間を半分に短縮。


関西広域連合が主体となって「安全・安心の”4次医療圏・関西”」の実現に向け、府県域にとらわれない「柔軟な運航体制」の構築。重複要請時等において、複数機のドクターヘリが補完し合う「相互応援体制」の構築を進めており、救命効果が高いとされる「30分以内での救急医療提供体制」を関西全体で実現するとされる。確かに広域自治体連携の事業として大いに意義がある事業です。しかし今回の整備士不足は構成府県ごとのヘリコプター運行委託先が複数あり、運行事業者の規模などによる適応力に差があったことから、府県個別対応・持ち寄り事務処理の限界が見えてきたともいえる。鳥取県の消防ヘリによる応援はそんな意味からはありがたい。今後さらに最適な総合調整機能を高めると共に国へのルール改正や支援(自衛隊へり 防災へりなどの活用)を求めなければならない。
