兵庫県議会議員みなみ但⾺選出 藤⽥ 孝夫(ふじた たかお) オフィシャルサイト

ひとり言

藤田孝夫

二元代表制の危機

R7年兵庫県決算認定を付託された決算特別委員会、その会派を代表する総括質問が10月20日に行われました。その質疑の中で、県政運営の根幹に関わる視点で重要な指摘が二つあった。一つは公益通報者保護法についての奥谷県議の質問、もう一つは県立大学無償化の優先順と事業計画設計の手順について迎山県議の質問です。

知事の定型文回答は、定例記者会見と同じもので議会での質問に答えたことにはならない。特別委員会の座長である委員長に、議員がそのことを訴え、一時委員会が中断した。 当局答弁は「不正な目的があった文章とは認識していない」「県として弁護士に相談したのは4月1日であった」。これは従来の知事発言と違うので、知事の見解を問うたのです。中断中は普通なら、人事課と知事が相談しどっちが正しいのか?表現方法としてどんな言葉を使うべきか?など、委員会が順調に進むよう・議会答弁足りえるように相談するのが普通です。しかし休憩中(中断時)に誰も知事のところに行かないのです。

議会質問のルールは、前日午前中までに議員の質問文はほぼ全文を提出しています。それは執行側は正しい答弁をするため、また県政の発展に資する質疑にするためです。しかし事前提出の質問文に対する答弁が食い違っていることを指摘しているのに、違う回答を繰り返したということは、知事と事務方とで事前調整が出来ていないことになります。 調整しようとしても決裂した状態でしょう。執行側の上位会議であるはずの知事協議の中身は一体どんな議論がなされているのか? これでは機能していないと言わざるを得ません。

大学無償化の事業立ち上げの経緯もよく似ています。 急ごしらえで、目的と効果は全く不明、もう少し時間をかけて多くの有識者(第三者)や議会提案を受け入れるべきでした。 無償化財源を外部から確保している高等専門学校 神山まるごと高専 | テクノロジー×デザインで人間の未来を変える学校 の例など当局も調査していなかった。もしパブコメなど実施していれば反対意見の中にも改善すべき提案や、そもそも高等教育への予算の使い方についてまともな提案もあったのではないかと思えます。

そして本会議の表決に移る前の討論で、上野議員から決算特別委員会での奥谷議員の質疑をわかりやすく再現公開し反対討論されたことは、議会審議への態度について問題提起するため視聴者が多い本会議場で公開することが目的であったと思われる。

一方で、決算特別委員会委員長、議長は、その会議を進行する座長であるので質問と答弁がかみ合い、県民にとってより良い質疑になるよう仕切るのが役割です。しかし答弁拒否ともとれる知事答弁に対し、座長権限は的確に行使できたのか?問題意識は如何ほどか? 委員会報告や閉会挨拶に両座長共一言も触れなかったのは二元代表制の議会としては残念です。このままではすれ違い答弁を理解し議会側は納得していると県民には勘違い・執行部には曲解されかねない。

座長は無条件輪番やくじ引きで決めているのではない。その席に着くものの権限と責任を今一度確認されたい。

次回議会運営委員会では指摘し対応すべきです。

以下は10月25日配信FMプライムオンラインからの特別委員会質疑の一部引用です

【奥谷県議】「(人事課長は)『弁護士に法的見解を得ながら文書内容の調査や懲戒処分の検討を進めてきた』と答弁したが、弁護士とは、4月1日に初めて相談した特別弁護士だと。それから人事課として『不正な目的があったと判断したことはない』と答弁いただいた。知事も同様の認識か」

【斎藤知事】「当該文書についてはこれまで答弁してきた通り、私自身が当事者として文書に書かれており、事実と異なる記載があるということと、個人や企業名が多数含まれており、放置しておくと多方面に著しく不利益が及ぶ内容だと認識している」

【奥谷県議】「やましいことがないなら堂々とお答えいただきたい。私がお聞きしているのは、10月7日にあった(人事課の)答弁、知事もそういう認識なのかということ。イエス・ノーで聞いているので明確にお答えいただきたい」

【斎藤知事】「先ほど申し上げた通りだ。個人名・団体名が具体的に書かれ、事実でないことが多々含まれる誹謗中傷性の高い文書だと考えている」

ここで決算特別委・風早寿郎委員長(自民)が、「質問の論点と答弁の内容にズレがある」と指摘。斎藤知事に答弁のやり直しを求めたのだが…。

【斎藤知事】「繰り返しになるが、私としては答えさせていただいている認識だ。知事や一部の幹部職員を誹謗中傷する文書だ」

【奥谷県議】「ちょっと答弁として受け入れられない。休憩を取っていいので整理していただきたい」

委員会審議は中断し休憩へ。兵庫県議会では珍しい展開だ。およそ2分半の調整を経て質疑は再開されたが…。

【奥谷県議】「知事も同様の認識でよいか」

【斎藤知事】「ご質問に対してちょっと繰り返しになるが、私の認識としては先ほど申し上げた通り。誹謗中傷目的の文書だったと感じている」

【奥谷県議】「堂々と『同じ認識だ』と答えられないということは、県の見解といっても、担当部局と知事の見解が全然まとまっていないと思う」

斎藤知事にとって、答えにくい質問なのだろう。もしも「同じ認識」であれば「弁護士に相談しながら進めた」という自らの説明は嘘になり、告発文書は公益通報だと認めることにつながる。

一方、「違う認識」であれば、「県組織と知事の見解はバラバラ」と認めることになる。
どっちに転んでも斎藤知事にとって大ダメージになる。

奥谷県議はさらに、告発文書がそもそも「公益通報ではない」のか、「公益通報だが法律の保護の対象外」なのかを質問したが、斎藤知事は「誹謗中傷する文書」と述べるのみで、答えようとしない。

知事への告発を、知事自身が「虚偽」と判定し、知事自身が告発者を「公務員失格」とこき下ろす。第三者委員会が「違法」と断じたこの行為について、奥谷県議は最後に問いただした。

【奥谷県議】「知事は『当事者として真実相当性がない』という話をするが、文書の当事者として判断したことが少なくとも誤りだったのではないか。知事は『まずかったな』と考えているか」

【斎藤知事】「ちょっと繰り返しになってしまうが、初動の対応から一連の懲戒処分の決定に至るまで、適切に対応している」

これも正面からの答えではないが、「まずかった」とは全く思っていないことはうかがえる。告発文書問題についての奥谷県議との質疑は、かみ合わないまま終わった。

斎藤知事の頑なな姿勢は議会だけではない。定例記者会見でも同様だ。象徴的なやり取りが今月あった。

神戸市に追随する形で兵庫県が導入した「フードドライブ」。
不要になった食料品を提供してもらい、フードロスを防ぎ、必要としている人々の支援に活用する仕組みだ。

この仕組みを斎藤知事が自身の動画サイトでPRした際の説明が「賞味期限が切れた食料品の寄付」を求めていると受け止められる言い方だった。

10月15日の定例会見で、記者団にそこを問われると、斎藤知事は頑なに訂正を拒否した。

【斎藤知事】「社会通念上、期限が切れたものを他者に渡すってことは基本的にない。社会通念上のご理解として、期限前のものをフードドライブとして活用することを、皆さんと共にやっていきましょうと説明させていただいた趣旨だ」

謝罪したくなければ、動画を見た人に責任を押し付けて「誤解を生む表現だったので修正する」とでも言えば済む話だ。そういう言い方をする為政者は少なくない。
だが斎藤知事は、なぜかそれすらも拒んだ。

こうした会見での受け答えについても問題視する県議が多くいる。この調子では、県議会との「信頼関係の回復」など、夢のまた夢になってしまう。兵庫県政「正常化」への道のりは、まだまだ長く遠いと言わざるを得ない。

(関西テレビ報道センター 鈴木祐輔)

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